朝起きたら、雪景色だった…(とはいえ、10:00頃にはもう溶けていたんだけど)
寒いのが苦手だから冬を避けて入隊したかったと言っていたJINくんを思いながら、なんで今年はこんな寒いのよ!と空に向かって(心で)叫ぶ。一昨日は凍った漢江の上をニャンコが歩いているニュース映像を見て泣いてしまった。
という具合で、いろいろと情緒がおかしい(涙腺が弱すぎる)今日この頃。
ソロ活動(アルバム「INDIGO」リリース)で、推しによる怒涛のコンテンツ供給に沼落ちどころの騒ぎでなくマジで溺れ死にそうになっていたのが一段落して、やれやれ…(BGMは「Pied piper」 笑)
さて。
《暴力装置》について考えている……BTS「PROOF」が届いた日に - わったり☆がったり
…と既にあーだこーだ、書き散らしているわけですが。
そして、最近「Run!BTS」の過去コンテンツをYoutubeで一挙公開!が始まって、ついep.1から見てしまい、それを見ながら「この子たちが軍隊とか大丈夫なのか…」と心配になって気づけばまた泣いている始末(特に怖がりさんなj-hope…でもこんな子も軍隊に行くし、行ってきたんだなと考えると、いまさらそれに気づいて涙している自分を呪ってしまう。やるせない…)
一方で、「INDIGO」リリースが嬉しくて(?)全力プロモーションお喋りがとまらないRMさんの「憑き物が落ちたぜ!いえい!」という表情や佇まいに安心もしていて(安心したからこそ、素直に泣けるのかもしれないっすね…)。こうも顔つきが変わるものなのだなと感心するぐらい、6月防弾会食時と顔つきが違う。10月のコンサートのときも、なんか「もう、そんなに(リーダーとして)がんばんなくてもいいよね~」感というのか、へんな力みがなくなって、兄ちゃんたちや弟たちに甘えるとこは甘えて任せて「このチーム最高やろ?」という自信にあふれた顔だなぁと思ってながめていたのですが。兵役のことで奥歯にものの挟まった言い方しかできなかった、その「蓋」が取れたことも大きかったんだろうなと思うと、これまた複雑な気持ちにもなります。
…とまぁ、明けても暮れてもBTSが/김남준씨が好きってだけ(笑)
私がはまったきっかけの一つでもある「Love Myself」の例のスピーチのときのことを喋っておられる動画。(この人、すぐに「僕にそんな資格があるのか」「僕なんて…」と言い出すのだけど、こんなに自分のことばで丁寧に考え尽くして発信してんのに、何を臆することがあるんですか…自信もっていいよ!と全力で言ってあげたい)
なるほどな…と改めていろいろと考えさせられました。
スピーチの中でも彼は「何にワクワクして、何に心が高鳴るのか、あなたの話を聴かせてください」と言ったのだけれど、確かに、何が好きか、何が苦手か、といったことの塊で人間はできあがっているよな……と改めて思います。
基本的人権を一言で表すと「Noと言えること」だといった法学者さんがいて、私はそれが好きで人にも良く紹介するのですが、「No(それは嫌だとか、やめてくれとか)」をとっさに言えるためには「自分にとっての譲れない一線みたいなものを自覚している」必要があると思うのですよね。その一線を「輪郭」として自分があり、だからその「輪郭」を勝手に書き換えようとしたり侵入しようとしたりされたときに、「No」が発動する、そんなイメージ。だから、人権教育というのは何よりもまず、自分自身の「輪郭」を自分でしっかりイメージできる力を育てる、確認し合う、そういう時間や場のことを指さなければいけない、そんなイメージ。
と、すぐ理屈っぽい分析を始めてしまうのが私という人間(笑)好きなんですよね、こうやってグルグル考えるのが(笑…で、たぶん私がRM推しなのは、そういうとこが似てるからかなーとも。そこまで説明しなくてもいいのよと自分で呆れるぐらい、説明したい、わかってほしい欲求とわかりたい欲求と、全部ことばでクリアにしたい欲求のモンスター 笑)
改めて、なんでBTS沼落ちしたのか…逆に、思春期のころはまったくアイドルに興味がもてなかったのに(考えてみたら私の最初の推しは009/島村ジョーでした。二次元やん…)。音楽としてよく聴いていたのはチューリップやオフコース、そこからのビートルズ、カーペンターズ、クイーン・・・。高校生の頃はマイケル・ジャクソン全盛期、MTVでマドンナやシンディ・ローパーにキャッキャはしゃいでたなぁ…。と、つらつら考えていて気づいたのは、その当時は「疑似恋愛的にアイドルにハマる」友人たちに若干引いてたんだったっけな…(すいません)という事実。まぁ、演劇にすべての情熱を注ぎこんでいて、音楽もそこから物語が喚起されて「わお!」となればのめりこむというパターンだったから(そしてそれはラブストーリーではなく、人間性や社会の問題を切り取ってスケッチする、そういう物語を私が志向していたから)、アイドルよりはロックやフォークに偏りがちになるのは当然だったかもな…。クラシック音楽やジャズもけっこう聴いたかも。それと、これは最近気づいたことですが、私はどうやら声フェチで(笑)チューリップ、オフコースはコーラスの美しさにやられての沼落ちでした。そもそもチューリップの存在に気づいてハマったのは、ラジオで偶然聴いた財津和夫さんの声のせいでした……(ちなみにオフコースは小田和正さんより鈴木康博さんの声だったんですよね……)。2000年代、K-popも聞くようになったけど、こちらは歌よりダンスのレベルの高さに仰天したことが大きかった。高校生がハマるのわかるわ……と、ダンス部の子たちが真似して一生懸命なのを応援していました(とともに、BIGBANGに「歌うま・・・」と仰天して、いっときハマってました…)
そうふりかえっていくと、私がBTSをちょっと意識して聴き始めた2018年はまさに「#LoveMyself」キャンペーンだったから、彼らの楽曲は人間ってなんだろう、世界ってなんだろう、平和って、公正ってなんだろう…的なものにあふれていたし、美しいコーラスの「声」、強く響き語り掛けるラップのことばと「声」という、私が好きな要素が詰まってたということか・・・と(とはいえ、コロナ禍前は「聴いて」満足してたから顔の区別はそう大事ではなく(笑)ただスピーチしてる子は詩も書いてるんだなーでボヤっと推してただけという…)。
そしてコロナ禍。「Dynamite」大人気で、何が起きたんだ?と思っているうちに、気づけば「え? K-popとか聞くの…?」の驚きとともにBTS沼落ちしていた友人たち。え?え?と、戸惑っていると顔の区別の仕方を指南されたりして(笑) そして「Life goes on」。ハマりました。ドハマりしました。癒されました。今もいちばん好きかもしれない(いや、「Run BTS」かな…甲乙つけがたい)
このMVもよき。
오늘도 비가 내릴 것 같아
흠뻑 젖어버렸네, 아직도 멈추질 않아
저 먹구름보다 빨리 달려가
그럼 될 줄 알았는데, 나 겨우 사람인가 봐今日も雨が降るみたい
びしょぬれになっちゃった、でもまだ止まれない
あの黒い雲よりも、もっと早く駆け抜けてやろう
そんなふうに思ったんだけど、僕はただの人間だったみたい(拙訳)
RMのこのパートが、ホントに好き。コロナ禍、焦燥感でいたたまれなくて、なんとかしたいともがくけど、どうにもならない虚しさと苛立ち。
멈춰있지만 어둠에 숨지 마 빛은 또 떠오르니깐
立ち止まっても暗闇に隠れないで、光はまた戻ってくるから(拙訳)
いつまでもこの状態が続くわけじゃない…はず。わかんないけど、僕らは日々を大切に続けながら、戻ってくるであろう日常を待とうね、一緒にね・・・と言われたら、「そうだねぇ」と涙。2年かけて準備してきたワールドツアーが全部吹っ飛ぶという経験をした人たちが歌うからこその説得力(当時なぜそんなに盛大に癒されたんだろう…と思っていたけど、私的に一大決心していく予定だったStudy Tourが吹っ飛んだ喪失感が重なったんかもな…と)
RMがソロアルバムについて語ったなかで「個人的なことをいかに普遍的に語れるか(描けるか)」という主旨のことを言っていて、確かに近作ほど、そういう「普遍性」みたいなものが意識されているなとも納得。そして私がハマった理由もそこにあるなと思うのです。「ma city」「뱁새」等の社会派楽曲もさることながら、ラブソングも、そこにある「関係性とその変化」を語るような詩が多くて(説明しづらい・・・)内向きな2人の世界に閉じこもる感じがない、いや、2人の世界を描きはするけど「あるある、わかる」とみんなが頷いてしまいそうなというか(BTS限らず、いい歌ってみんなそうですけれど)。RMもラッパー/詩人だけど、SUGAとj-hopeという違うタイプのラッパー/詩人の三つ巴で「個人的なことを・・・」とやってるなんて、最強では?(ファンの欲目)
そして、RMの、2018年から2022年までの個人史が詰め込まれて、まさに普遍的に昇華しちゃった「INDIGO」です。
既にリリースされたj-hopeのソロアルバム「Jack in the Box」も聴き直してみて、2人の個性の違いと、でも響きあっている友情を(勝手に)感じてしまう私。そして、いずれ出るであろうSUGAのソロアルバムへのドキドキが止まりません(ラップライン好き)。
私はけっきょく、社会の中で生きている自分、社会と切り離せない人間というものについて、自分のなかで起きている感情の動きを見つめながら、人や社会とつながりたい人なんだろうなぁと思います。そして、そこにかれらの、かれの音楽がハマったということかな……。
そんなことを考えていると、私のまわりの人たちの「推し」も、あぁ、この人がここを推すの、なんかわかるなぁとか思えてきておもしろい。やっぱりみんな、「好きなもの」でできている。
「INDIGO」関連動画のリンクはこちら で、全部聴けますが
個別に聴くと、けっこうつらいことも吐き出されているし、芸能界、アイドル、ファンダムのあり方等など考えさせられて苦しくなるところがあるのですが(特にタイトル曲の、「들꽃놀이/Wild Flower」なんて「BTSという王冠」の重さを引き受けさせてごめん!と全力で謝りたくなって寝込みそうでした。最初にそれだけ聴いたとき…)
アルバムの収録順に10曲を順に聴いていって最後のこの曲にくると、じわっと胸の奥が温かくなるのです。
이젠 니가 널 지켜줄 거야
もうこれからは 君が君を守ってやれる최선을 넌 나했을 뿐이야
最善を 君は まっとうしてきただけ (拙訳)
この2文が鍵になっているのですが……。ずっと悩んで考えてきた「LoveMyself」の答えなんだろうなと私は受け取りました。自分を愛すること。そしてケアすること。
여태껏 배운 건 겨우 한 가지
I’ll be forever meここまでかかって 学んだことはたった一つ
僕は永遠に僕だということ
人はみな、かけがえのない一人ひとりで、
永遠に「私は私」でしかない。
だからこそ、自分自身を愛して、信じて、ケアして、生きていくことが大切。
ここに人権ということばは使われていないけれど、語られていることは人権という「普遍的な価値」だと私は思うし、だから好きです。
(だから、人権を考えている人はきっとみんな好きになると思うんだけどなーと独り言)
オマケ)
ラップライン3人とも好きなのですが、なぜRM?と考えるに、声でした…。
まったくの個人的な好みの解釈ですが、SUGAとj-hopeの声って、外側から響く感じなんですよね(私にとって)。SUGAの声は「聴け!聴いてくれ!」って外からどんどん扉を叩かれている感じで(うるさいわけではなく、情熱にあふれてる感じ。SUGAは詩もエモーショナルだと思う…)、j-hopeの声はダンス。というか身体の動きを伴って響いてくる感じ…すぐ隣で気配を感じる届き方というか人恋しい感じ?(RMとSUGAは陰陽でいうと陰で、j-hopeは陽。JINも陽だと思っていて、ヒョンたち4人のこの陰陽バランスもBTSの鍵だと思うのですね・・・勝手な解釈 笑)
で、RMさんの声は、侵入してくる感じなんですよね(笑)耳元からするっと内側に入られて、自分の声じゃないのに内側から響いてくる感触を伴う声(ことばで説明すると気持ち悪いな…)。心臓を素手でつかまれちゃう感じ?(やっぱり気持ち悪い)
それでいうと、「INDIGO」1曲目の「Yun」の冒頭に入っている尹亨根画伯の声も、侵入してくる系の声なんですよね…(最初、一瞬RMの声かと思いました)私的には超エモい(笑)
基本的に耳から情報を取るのは苦手で視覚認識強めなのに、フェチは声(音)なんだなっていうのも、なんかおもしろいです(自分の輪郭って、そんなふうに何歳になっても「あ、ここんとこはそうなってたのか!」みたいな線が発見されるものなのかもしれないですね。人間っておもしろい)
(とこれを書きながら「INDIGO」何周したのやら…)