わったり☆がったり

왔다 갔다(行ったり来たり)な毎日です(*^_^*)

私的韓国映画week

日曜日、東京出張ついでに野田秀樹観ようと思ってたのを台風が心配で断念し、
月曜日、授業の感想のなかに凹むヤツがいくつかあって落ち込み、
星占いでも「くよくよ悩んでしまいそう」12位! という具合だった神無月終わり。

こういう時は体調にもくるんだなー。私的わかりやすいカラダ。

んで、気分も変えたかったので夕方から韓国映画をはしごして
日が変わる頃に帰宅という暴挙に出た昨日(笑)

バッカス・レディ』原題Spring has come

『バッカス・レディ』 - 映画レビュー

現代韓国の「影」を描いた・・・という映画評が多い。
(劇中、ドキュメンタリー映画をつくりたい青年が「GDP11位になったのに、高齢者の貧困が―」等々と語る場面が挟まれていて、「光」部分しか知らない人にとったら、この兄ちゃんが橋渡し役なのかな? と思った)

けど、「影」部分で生きている人にとっては、それはただの日常で、
楽しいこともしんどいことも、悲し過ぎて滑稽だよ! なこともある。

うまくいえないんだけど、社会問題に取り組まねばと思う人であればあるほど
そういう日常の細々とした姿は「置いといて」
わかりやすく「貧困」とか、わかりやすく「不幸」とか、を切り取りがち。

映画や小説の役割は、そんな細々した日常を可視化できることだと思いますが、
その意味でこの作品は佳作。観て良かったです。

あー、この年代の人は「パゴダ公園」って言うのね、やっぱり・・・とか

たしかにパゴダ公園はじいちゃんいっぱいいてるよなー、とか
(90年代初頭に初めて行ったときは、おじいちゃんたちの視線が冷たかった。
 けど、最近はそんな感じも薄れた気がするよな・・・と関係ないことを考えたり)

「韓国人の男はみんなクズっ!」という台詞に「いや、国関係ないよ」と
つぶやいてしまったり(フィリピン現地妻と子どもを捨ててきて、
知らん顔しようとするクソ医者が登場するのです)

そんな安い金額でフェラさすな! と怒りでえづいてしまったり

高齢者の孤独問題つらいよな・・・とは思えど、じじい身勝手が過ぎるやろ!
とまたまた怒りが湧きあがったり

フィギュア(しかもエロフィギュアっぽい)作ってるにいちゃんが義足なのは
兵役で事故ったんやろか、と考えたり

端々にフィリピン人とかアフリカ系の人とかが雑に登場するのはステキだし

韓国映画って、こういう役柄にトランスジェンダー(しかもだいたいMtF
もってくるの好きよなーと(嫌ではないけど定型化してる気もして)
ちょっと複雑な気分になったり

朝鮮戦争、国際養子・・・というのは韓国現代史では抜けない要素だよなと
再確認させられたり

・・・そしてたぶん、日本にもこういう人たちはたくさんいるんだろうな。
見えていないだけで。

『わたしたち』原題우리들

わたしたち(2016) - 映画情報・レビュー・評価・キャスト | Filmarks

こちらは子どもの世界。小学校4年生。ギャングエイジ終って思春期に向かう頃

バッカス・レディ』も生々しかったけど、また少し違う生々しさ。

監督は、子役の彼女たちに事前に台本を渡さず、
当日その場で状況設定と最初のいくつかのセリフを伝えて、
あとは場の流れに任せながら撮影していたらしい(是枝監督と似ている)

リアル。すごいリアル。そうよ、小4こんな感じよね! という・・・

私も小4夏休みに突然転校したんだな。
(小2の1,2学期を過ごした学校に戻る形だったけど)
女子のトップ?のボア。そのボアたちに嫌われているソン。
あからさまにいじめがあるというより、
だれもソンを気にかけないという空気が漂っている教室。
(ボアは割とはっきり意地悪していますが、これも痛々しい)
その力関係のなかに転校してくるジア。

偶然出会って、クラスと関係のないところで友情を育めたのもつかの間、
クラスの力関係に巻き込まれて、ふたりの友情はねじ曲がる。

こちらも映画評で「いじめ」という単語がよく出てきて、
たしかに劇中でも「いじめ」ということばが出てくるんだけど、
子どもたちがそこについての心情を一切語らない作りになっているのが
秀逸だなと思いました。「さびしい」とか「つらい」とか一切なし。

この子は今何を考えているんだろうか・・・が、
観る側の想像力に全部任されていて、画面にあるのは
少女たちの小さな表情の動きや、その目に映っている状況・・・

だれも悪意がないけれど、力関係が発生し、その力関係のなかで
自分の位置を必死で探している。これは社会そのものだ。

学校は社会の始まりだと、改めて実感させられました・・・。

そして、大人が無神経なんですよね(笑)
大人にも悪気はないし、むしろ子どもを心配しているんだけど
裏目にしか出ないというのがリアルすぎて怖いぐらい。

ソンの弟、ユンは友だちのヨノ(出てこない・・・見たかった 笑)に
いつもケガさせられているけど、仲良し。
顏に派手に青たん作っているユンに、ソンが
「なんでヨノと遊ぶの? やられたらやり返さなきゃ」と訊いたときの、
ユンの答えがすごいのです。

「叩くでしょ、叩き返すでしょ・・・そしたら、いつ遊ぶの?」

哲学だ・・・。ユン、神か! と思いました。

 

・・・ということで、昨日はプチ休暇のような日でした。